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自費出版放射能汚染対応についてのお知らせ
(4/7)
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牛尾洋介さん「アパートから」
刊行(4/5)
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木村ユウの白金
(3/31)
事務局
●静かな顔
/北川浩二
1,470 円
●珊瑚
/木村ユウ(曽根亘元名義)
「さかみち 第一部」収録
1,890 円
鉄道 木村ユウ
あれは確か四月だった
朝の十時くらい
僕は電車の一番後ろの
ドアのところで
光の射す外を見ていた
色の濃いサングラスを通しても
春なのがわかった
電車がゆっくりと
踏み切りに差しかかる
線路の柵のところで
まだ若い母親と
腕に抱かれた小さな子供が
手をこちらに振っていた
この電車に、
父親でも乗っているのだろうと
僕は思った
隣で
安全確認をするために
窓を下ろしていた若い車掌が
まっすぐ外を見ていた
彼が体の前で
小さく手を振った
何が書きたいのかって?
書きたいことは
いつだって書けない
彼女の従兄は棺の中で
駅員の制服を着せてもらっていたそうだ
長く勤めた運転士だった
女の人はみんな顔を触っているのに
男の人って全然触らないんだね、
誰も触らなかった
そういう話を聞いていた
何か書いて
あげようと思ったんだ
弔いのためにね
でもだめだ
僕は会ったことがない
どうしてお嫁さんを
もらわなかったんだろう、という話に
釣りが好きで
グレート・バリア・リーフまで行ったことを
いろいろ考えてみたり
斎場の人が
よく冷えた壜ビールを
ビールがお好きだったと聞きましたと
頭の近くへ置いてくれたことや
それで
僕も冷蔵庫に入れっぱなしにしていた
缶ビールを持ってきて
グラスに二つ、注いで飲んだ
夜だった
唇に泡がついて、
こういう味だったよな、と思った
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