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知らない町で   久坂夕爾


知らない町で 私は背広を新調した
知らない町で
 美しい飛沫のように 時はながれた

知らない町で 規則正しく夕は暮れ 朝は明けた
知らない町で
 人は うろおぼえの自分の名をポケットに詰め
 年齢と職種の帽子をかぶり
 服飾について語りあった

裏返した名刺の余白にも
 書くべきことは何事もなかった だが

待ち合わせの時刻はとうに過ぎている

知らない町で
 信号は赤く点滅していた
 赤く
 
 
 
 

 
口ずさむ孤島

 
●著者  久坂夕爾
●出版社  日本自由詩協会
●ISBN 978-4-9902343-4-8
●価格 500 円(税込)
●サイズ 177×128mm
●56P
●2007年1月22日 発行
●在庫数 あと1冊
 
 
冊 
    
 

 


 
 
ごはんつぶ。   Lucky


寒い冬の朝、私はいつも炊飯器の中を想像していた。
とっても寒くてお布団から出たくなくて、
そしてとても眠いから。
炊飯器の中のご飯粒はいいな。
ほかほかの湯気のなかでみんな仲良くぎゅうぎゅうで。
ずっと眠っていてもだれにも咎められないし。
ずっとずっと眠っていて、ふと気づいたらお茶碗の中で
食べられてしまう運命だったとしても。
今の人間社会でも大して違いはないんだし
一度でいいから真冬の炊飯器。
中のご飯つぶの一粒になりたい。
そしてそのままあなたの脳へ運ばれていきたい。  
 
 
 

 
AGAPANTHUS(アガパンサス)

 
●著者  Lucky
●出版社  日本自由詩協会
●ISBN 978-4-9902343-7-9
●価格 1,200 円(税込)
●サイズ 97mm×148mm
●64P
●2008年7月7日 発行
●在庫数 あと1冊
 
 
冊 
    
 

 


 
 
 私は普通の親、かくある現世に生き、何を我が子に伝えるべきか思い悩んだ。人並みにつらい鬱にもなった。そんな中、詩を私は普通の親、かくある現世に生き、何を我が子に伝えるべきか思い悩んだ。人並みにつらい鬱にもなった。そんな中、詩を書き出した。
 考えて見れば、我が子一人が生きているのではなかった。我が子と手を携えて生きていく、世界中の子ども達にも伝えるべきものだった。───カバー文より抜粋

谷望が次代に残す痛烈なメッセージ。  
 
 
 

 
子ども達へ贈る詩集

 
●著者  谷 望
●出版社  日本自由詩協会
●ISBN 978-4-9902343-9-3
●価格 1,260 円(税込)
●サイズ B6
●236P
●2009年6月13日 発行
●在庫数 あと9冊
 
 
冊 
    
 

 


 
 
継ぐ   竹本祥子


千本の木と向き合うと
知らされる 世上の広さ
ひろい ひろーい
よみ方も歩き方も わからない
羅針盤よ この手に
人の心に向き合いたくない
向き合うと ブラックホールに堕ちて行く


川面に立ち
風にあたり
消臭剤と芳香剤でオノレをごまかし
掃除機で病原菌を吸い取り
一本の木に栄養剤をひたすら ふりかけ
電卓をはじいて
その月の給金とそれによって賄われる
電話代にも
栄養剤をふりかけ


美白よりコラーゲンを欲するオノレの
浅知恵に安堵し
四十路を過ぎた者の部屋の
どこにも鏡がないと喚きたてる


千本の木も一本の木も
植物だと認識していないだろう
オノレに
誰かがいつか線香をあげてくれるかと
慮るが


そのときには おそらく母さんは もういないのだよ
だから 植物に水を与えて下さい
これからも  
 
 
 

 
継ぐ

 
●著者  竹本祥子
●出版社  日本自由詩協会
●ISBN 978-4-9902343-5-5
●価格 500 円(税込)
●サイズ ポケットサイズ
●36
●2006年12月26日 発行
●在庫数 あと1冊
 
 
冊 
    
 

 


 
 
夢恋   多田龍介


夢の中の恋は
手を触れられないがゆえに愛しく
顔が見えないがゆえに美しく
交われないがゆえに甘美でした


それはきっと恋だったろう


夢の中の 夢の中だけの 夢の世界のお話
一歩外へ踏み出せば
それは崩れるだろうか


たくさんの恋が人を臆病にして
たくさんの愛が人を勇敢にする


たぶんおそらくきっとそう
その夢は 実現するに 値する
 
 
 
 

 
夢恋

 
●著者  多田龍介
●出版社  日本自由詩協会
●ISBN 
●価格 500 円(税込)
●サイズ 97×148mm
●32P
●2007年6月21日 発行
●在庫数 あと2冊
 
 
冊 
    
 

 


 
 
独我論について     東国三朗


偶然 電車の中で居合わせた
見知らぬ人の 顔 雑踏の中の
急ぎ足で 歩く人々の 顔
彼らが 北極にいるとしたら 
見慣れた人たちの 顔 
友達 恋人 先生 家族 あるいは
一度会った 人たちは南極にいる


一度会ったというだけで 
北極から南極へ あるいは 地獄から天国へ
行けるとしたら 人間は かなりいいかげん 


古い親しい友達と
そこら辺で会った 自転車に乗った 
見知らぬおじさん との違いは
よく知っている人と
全く知らない人との 違いなのだが


古い親しい友達は 涙もろくて健康で
風邪など余り ひいたこともないが
だからといって それは その人自身ではない
それは 全部自分の方の 想像である


見慣れているという この一瞬の中に
この想像が詰め込まれている
これは ほとんど正確だから
想像であることさえ 忘れてしまう


親しい友達にしても 彼に
自分が成り代われるわけではない 
見知らぬおじさんに 成れないのと同じように


北極の氷が 余りに冷たいからといって
南極の氷が 暖かいわけではない<  
 
 
 

 
傷心の形而上学

 
●著者  東国三朗
●出版社  祐園
●ISBN 
●価格 980 円(税込)
●サイズ 148×105mm
●74P
●2005年4月11日 発行
●在庫数 あと1冊
 
 
冊 
    
 

 


 
 
秋の帰り道     多田龍介


落ち葉の季節になりました

銀杏の黄色に染められて
漂う心は満たされます

美しい 秋の光の 乱反射
葉に照り返し パラパラキラキラ

風は少し涼しくて
やがて来る冬感じます

いいものだ
何もかもがいいものだ

午後の静かな帰り道
満ち足りて ふと
つぶやきました
 
 
 
 

 
空の道しるべ

 
●著者  多田龍介
●出版社  祐園
●ISBN 
●価格 1,000 円(税込)
●サイズ 177×112mm
●78P
●2005年6月7日 発行
●在庫数 あと15冊
 
 
冊 
    
 

 


 
 
宇宙に抱かれる瞬間   中村真生子


太陽は沈んでしまったけれど、
まだ明るさは残っていて、

コウモリが飛び始めているけど、
まだ町の輪郭は残っていて、

そんな昼と夜とが交代をする瞬間に
宇宙は無防備に素顔をのぞかせる。

その素顔はせつなくて、
空いっぱいに紅い涙をにじませている。

その下に佇めば、
宇宙がそっと抱いてくれる。

 
 
 
 

 
メルヘンの木

 
●著者  中村真生子
●出版社  祐園
●ISBN 4-9902343-1-6
●価格 1,260 円(税込)
●サイズ 178×110mm
●112P
●2005年10月10日 発行
●在庫数 あと4冊
 
 
冊 
    
 

 


 


 
本屋さんで立ち読みするときは一冊ずつ。でもポエトリージャパンでは一気に読めちゃう。これもネットならではかもしれません。気に入った詩集はもちろん購入できます。
 
 

 

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